セミリタイヤ後は、どんな仕事をしようかな‥。どんな働き方があるのかな‥。セミリタイヤしたら、社会保険とか税金ってどうなるんだろう?というお悩み。
実はちょっとした働き方の違いで、毎月の社会保険の支払いや、後にもらえる年金・失業保険が違ってくることをご存知ですか?
この記事では、健康保険・年金・雇用保険にフォーカスした「働き方とお金のはなし」を解説します。
・セミリタイヤ後の社会保険
・健康・厚生年金保険に加入するメリット
・雇用保険に加入するメリット
・住民税と所得税のデメリット
セミリタイヤ後の社会保険
この記事で解説する社会保険とは、健康保険・厚生年金保険のことです。
国民健康保険・国民年金に加入する
セミリタイヤすると、会社で加入していた健康保険・厚生年金保険から脱退して、自治体・国が運営する国民健康保険・国民年金に加入することになります。
健康保険については、退職前に勤めていた会社の保険に2年加入できる任意継続制度もあります。年金については、60歳未満で退職した場合の継続制度がないので、厚生年金から国民年金になります。
健康保険・厚生年金保険に加入する
セミリタイヤ後も日数・時間を短くして働けば、健康保険・厚生年金保険に加入することができます!
従業員数が101人以上(令和6年からは51人以上)の会社で、次の雇用契約で働く場合、一般的には健康保険・厚生年金保険に加入することになります。
社会保険に加入する下限の給与が月額88,000円。年間収入にすると約106万円です。
そうすると、こんな働き方ができますね。
例)1日7時間。週3日。時給1,050円
週の労働時間:21時間
給与月額:88,200円
例)1日5時間。週4日。時給1,100円
週の労働時間:20時間
給与月額:88,000円
えっ?全然セミリタイヤじゃない働き方だよね。と思われますか?
正社員で働くとだいたい週40時間労働なので、週20時間労働は単純に半分です。働く日数・時間が少なくなる分、自由に使える時間が増えるので、趣味・家族と過ごす時間・起業の準備など、今まではできなかった有意義な時間を過ごすことができます。
社会保険加入のメリット
毎月の支払額をおさえる
保険料の計算は複雑なので、ざっくり次の例で解説します。
例)
単身で40歳~65歳未満
リタイヤ後、短時間の仕事で毎月の給与収入が88,000円(年収106万円)
1.国民健康保険(国保)・国民年金に加入した場合
国民健康保険:6,000円~7,000円(自治体により変動)
国民年金保険:16,520円(定額)
※国保の家族がいると、その分も増額
2.健康保険(健保)・厚生年金に加入した場合
健康保険:5,200円(協会けんぽ)
厚生年金保険:8,052円(協会けんぽ)
※会社と社員が半分づつ負担するので、上記は本人負担分
※扶養家族がいても保険料は変わらない
1と2の差額を計算すると、国保・国民年金の場合は 健保・厚生年金と比べて、毎月 約1万円 支払額が多くなります。年間にして12万円の違いです。
社会保険にフォーカスすると、短時間の仕事で給与収入を得るなら健康保険・厚生年金に加入した方が毎月の支払額を抑えることができますね。
傷病手当金の対象になる
健康保険に加入することで、対象になるのが「傷病手当金」です。
病気休業中の生活を保障するために設けられた制度で、病気やけがのために会社を休み、一定額の収入が減少した場合に支給されます。(そして非課税)
これは国民健康保険にはない手当(新型コロナウイルス罹患時は対象になる場合あり)なので、健康保険に加入するメリットの一つだと思います。
将来の年金額が増える
月額88,000円の給与収入で働いた場合にも、将来支給される老齢厚生年金の額は増えます。
計算が少々複雑なので、ここではざっくりとした計算をしてみます。
例)会社員を50歳でセミリタイヤ
50歳~60歳(10年間 厚生年金加入)
給与収入 88,000円/月
セミリタイヤ後、10年間の給与収入で増える老齢厚生年金の受給額 年間 約6万円弱 です(月額5,000円弱)。
えっ?10年働いてたった6万円と思いますか? それとも毎月5,000円上乗せ支給されることがメリットだと思いますか?
この金額の捉え方はそれぞれだと思いますが、将来の年金支給額が増えることは確かです。
雇用保険加入で失業保険の対象に
社会保険に加入する働き方は、同時に雇用保険に加入することにもなります。
雇用保険に加入するメリットとしては、仕事を辞めた時に失業保険の対象になる場合があるということ。(そして非課税)
もちろんその後も働く意思がある場合に支給される失業保険ですが、全く支給されないより支給される場合がある方が、今後の生活に安心感があると思います。
考えられるデメリット
住民税の支払いが必要になる
住民税の支払いが必要になるのは、年間の給与収入が100万円を超える場合です。
つまり、社会保険に加入する働き方の場合だと 100万円は超えるので、必然的に住民税の支払いが発生します。
所得税の支払いが必要になる
所得税の支払いが必要になるのは、年間の給与収入が103万円を超える(通勤手当は除く)の場合です。
つまり、社会保険に加入する働き方の場合だと 103万円は超えるので、必然的に所得税の支払いが必要になります。月々の給与から天引きされますが、年末調整・確定申告で還付することもできるので、最終的には0円になる場合も。
まとめ
50代でセミリタイヤした場合の働き方・社会保険とお金のことについてまとめてみました。週20時間以上で働く気はないとかフリーランスで働くなど、この記事に当てはまらない働き方もあります。もし、月10万弱ぐらいの収入があるといいな。と考えているセミリタイヤさんには参考になるかと思います。